CNCフライス盤 テーブルの交換

久しぶりのCNCネタです。半年前に行っていた作業ですが、ブログに載せていなかったので書きます。自作CNCフライスのテーブル、ステッピングモータ、コントロールボードを交換しました。目的は工作精度の向上です。それと切削液の循環の改良です。

スピンドルとZ軸の取り外し

スピンドルとZ軸の取り外し

アルミやアクリルの切子がついて大変な事になってますが、こんな物です。Z軸部分を取り外します。

Y軸のステッピングモータの取り外し

Y軸のステッピングモータの取り外し

Y軸、テーブルの取り外し

Y軸、テーブルの取り外し

取り外したテーブル

取り外したテーブル

テーブルはアルミ製です。

正面の板を取り外し

正面の板を取り外し

中の隙間に切削液が入っていて大変な事になってました。

テーブル(アルミ)とY軸ベース板の取り外し

テーブル(アルミ)とY軸ベース板の取り外し

Y軸のプレートとの隙間にも切削液が入っていて腐食してました。キレイに落としてペーパーをかけブラッキー(黒染め液)で処理をします。

Y軸のテーブルを取付ける部分。

Y軸のテーブルを取付ける部分。

取付準備完了

新しいテーブルトップを取付

新しいテーブルトップを取付

新しいテーブルは業者に発注して作成しました。SC調質材+MC加工+研磨+ガニゼンメッキ10μという仕様です。

IMG_4628

テーブルの裏側 Y軸のリニアガイド、ボールネジ

テーブルを鉄にしたので重量がY軸部分だけで50kg以上あります。持ち上がりません。起こすだけで精一杯です。これを取り付け位置まで持ち上げる必要があります。そこでクレーンを作りました。

単管パイプを組んだクレーン

単管パイプを組んだクレーン

単管パイプとチェーンブロックでクレーンを組み持ち上げます。

テーブルを吊上げます

テーブルを吊上げます

テーブルの下には治具を入れてワイヤーをかましてあります。

テーブルを取付位置まで移動

テーブルを取付位置まで移動

ここまで運んで一度おろして、ワイヤーの位置を変えます。

最後の位置の調整

最後の位置の調整

取付位置まで来ました。

前後方向の高さ調整

前後方向の高さ調整

取付後にテーブルの傾きをチェックします。前後方向に走らせて高低差をチェック。シムをはさんで調整します。0.01mmのシムを何枚か入れたり出したりしながら調整です。そのたびにテーブルを持ち上げて調整です。

左右方向の高さ調整

左右方向の高さ調整

左右方向の調整です。最初は8mm厚のガラス板で調整していましたが、ガラスは厚みのバラツキが大きくダメでした。そこで、ロータリー仕上げのS50Cの板を使いました。こちらの方が平面はでています。

X軸とY軸の直交調整 1

X軸とY軸の直交調整 1

X軸とY軸の直交を調整します。この調整が一番大事。(他も大事ですが)綺麗な円を切削するためにここが効いて来ます。まずはスコヤをボールネジの移動方向と平行になるように取付けます。ダイヤルゲージが動かないようになるまで調整。

X軸とY軸の直交調整 2

X軸とY軸の直交調整 2

次にX軸を動かしながらY軸の角度を調整します。X軸は構造上動かせないのでY軸で調整します。Y軸の中心にピンがあり、そこを中心にわずかに回転するようになってます。位置が決まったらボルトで固定。

ステッピングモータ新旧比較

ステッピングモータ新旧比較

ステッピングモータは2相から5相のステッピングモータに変えます。基本分解能も上がりトルクも上がります。制御の精度は余裕で0.001mmを出せる様になります。以前は0.003ぐらいだったかな?

各軸ステッピングモータの取付

各軸ステッピングモータの取付

X軸のモータは以前の取付穴と干渉しないように45°傾けて取付けました。

Z軸の調整

Z軸の調整

Z軸がテーブルに直角に移動するように調整。

スピンドルの調整

スピンドルの調整

スピンドルの回転面がテーブルと平行になるように調整。

切削液の循環用

切削液の循環用

切削液はテーブルの左側につけた樋から流れ落ちます。ステンレスの樋とホームセンターで買って来た調理用の容器で作りました。

防音ボックスを組立

防音ボックスを組立

防音ボックスを組み立てて完成。