機械式時計の輪列は24時間動いていない!


トゥールビヨンの誕生日という事で時計の脱進機についての考察を紹介します。機械式の腕時計はチクタクと動き続けているように見えます。音も連続音で休まずに動いている様に見えます。本当にそうでしょうか?腕時計に使われる脱進機はクラブツース脱進機と呼ばれその心臓部はガンギ、アンクル、振り座、テンプになります。
クラブツース脱進機
この仕組みは図1のようになっています。簡単に言ってしまうと回り続けようとするガンギ車をアンクルの爪が止めて時間を刻みます。このアンクルを動かすのが振り座につながったテンワです。ガンギと噛み合った爪がテンワの動きによって外れ、ガンギが回ります。この時にガンギの歯先が爪を押し上げ、その力がアンクル、振り座と伝わりテンワを回します。これが脱進機の仕組み。つまり時計として動くには動き続けようとするガンギ車を止める、アンクル、そして一定周期で動くテンワが必要になります。

このテンワですが、一般に良い時計では300度の回転角度が必要と言われます。そしてその300度のうち振り座とアンクルが接して動くのは20度しかありません。
テンワが回転する時にアンクルを動かす時間
この20度(両方向考えれば40度)の間しか輪列は動いてないわけです。その時間がどのくらいになるかというと図2を見て下さい。テンワの振動はヒゲゼンマイによる一定周期です。図の様なsinカーブになっているはずです。そこで20度というと全体の中で8%の時間しかありません。
この8%の時間で輪列が動き時刻を表示しているわけです。92%の時間は輪列は止まっているということになります。動き続けているのはテンワだけ。
時間に直すと1日24時間で輪列が動くのは1.92時間。22時間以上は止まってるんですね。時計って不思議で面白い機械です。こんな素敵な機械を発明して発展させてきた先人達に感謝!